Conference Chairman
大会長挨拶
大会テーマ
専門職の使命と連携
近年、認知症治療薬の開発が進み、認知症の治療やケアは大きな転換点を迎えています。疾患修飾薬の登場により、認知症は「支える」だけの対象から、「早期に捉え、介入する」疾患へと、その位置づけが変わりつつあります。この変化は、認知症当事者やご家族に新たな希望をもたらす一方で、私たち専門職に対して、これまでの実践や価値観を見直すことを強く求めています。今この時代にこそ、従来の治療やケアの在り方を振り返り、その本質を問い直す必要があるのではないでしょうか。 本大会のテーマを「専門職の使命と連携」といたしました。認知症の診療・ケアは、医療、介護、リハビリテーション、福祉、工学など、さまざまな専門領域が関わる極めて複合的な分野です。治療薬の進展によって専門的知識や技術が高度化する今だからこそ、私たちは自らの専門性を改めて見つめ直し、「自分たちに何ができるのか」「何を担うべきなのか」を明確にすることが求められています。
しかし、専門性を深めることだけでは、質の高い認知症医療・ケアは実現できません。自らの使命を問い直す過程において、他の職種が果たす役割や視点を理解し、尊重する姿勢が不可欠です。さらに、他の職種に何を期待し、どのような協働を望むのかを率直に言葉にし、共有することが、実効性のある専門職連携につながると考えています。
日本早期認知症学会には、医師、看護師といった医療職のみならず、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリテーション専門職、介護・ケアに携わる実践者、さらには医工学分野や関連産業の研究者など、実に多様な背景をもつ方々が参加しています。この多様性は、単なる「多職種参加」にとどまらず、専門職連携を具体的に考え、実践へとつなげていくための大きな可能性を秘めていると感じています。本学会だからこそ、立場や職種の違いを越えて率直な議論が交わされ、新たな連携の形が見えてくるのではないでしょうか。
本学術大会が、参加される皆様にとって、自らの専門職としての使命を再確認し、他の専門職との関係性を見つめ直す機会となることを願っております。そして、その議論や出会いが、今後の認知症治療・ケアの質の向上、さらには当事者とご家族のより良い生活につながることを心より期待しております。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。
第26回日本早期認知症学会学術大会
大会長 大杉紘徳
城西国際大学
健康科学部理学療法学科